大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)129 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

論旨はD農地委員会は、上告人が昭和二二年三月二四日申立てた買収計画に対す

る異議申立に対して、何等正式の決定もしないまゝで異議を採納し本件農地を買収

計画から除外しておきながら同年四月二八日再び同じ農地について同じ理由によつ

て買収計画をたてたのは違法である。しかるに原判決が本件買収計画を適法として

いるのは法令を不当に適用したものであるというのである。

農地買収計画に対し異議の申立があつたときは市町村農地委員会は買収計画の縦

覧期間経過後二〇日以内に決定をしなければならないことは自作農創設特別措置法

第七条第三項の規定するところであり、又同法施行規則第四条は農地委員会は決定

書の謄本を申立人に送付しなければならないことを規定している。従つて同村委員

会が右法定の期間内に上告人の異議に対する決定をしなかつたことは勿論違法であ

つて、この点は原判決の判示するとおりである。

D農地委員会が本件農地を買収計画から除外したことは当事者間に争がない事実

であるが除外したという事実行為からだけでは、異議を容認するか若しくは却下す

るか何れか決定の形式によつて、その意思決定がなされない以上本件農地が法律上

買収されないことに確定したと認むべき根拠がなく、まして異議申立に対する法定

期間の経過によつて異議が採納されたものと解すべき法律上の根拠もないのである。

おもうに同委員会が上告人の異議申立に対し決定をしなかつたのは、その意思決定

が留保されたに過ぎないものであつて、もともと本件農地が自作農創設特別措置法

によつて買収することができるものであり且本件異議申立が採納されたと認むべき

法律上の根拠がない以上は、同委員会が再び本件農地について買収計画をたてたか

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らといつて、右買収計画自体が違法となるものではない。たとえ最初の買収計画に

対する異議申立に対し同委員会が決定をしなかつたことが違法であつても、二度目

の買収計画自体に違法がなく、そして右二度目の買収計画に対しても異議の申立が

できるのであるから(又上告人は右異議の申立をなしたのである。)右最初の決定

をしなかつた当否を争う実益がないものと言わなければならない。以上のとおり本

件上告は何れも理由がない。

よつて本件上告は棄却すべきものとし民訴法四〇一条九五条八九条に則り裁判官

全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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